2004年 03月 10日
ある夜の出来事 |
ちょっと迷ったけど、やっぱり書くことにした。つい先日のことだ。
その晩、僕が自宅の最寄り駅に着いたのは、夜の10時半過ぎだった。駅から家まで、徒歩で10分弱。いつも通り、ぶらぶらと歩いて帰った。
途中に、一軒の居酒屋がある。小ぎれいなつくりで、お座敷もあるので、小さな宴会などにも使われている店だ。
そこへ通りがかった時、店の隣の駐車場から、男の怒鳴り声が聞こえてきた。(酔っぱらいの喧嘩かなぁ)と思いながら、声のするほうを見てみた。20代前半と思しき男が、足許を見下ろすように怒鳴っている。
「オマエはなんでそういうことをするんだっ!」
怒られていたのは、4歳前後の女の子だった。
「なんでオレを怒らすんだよっ!」
思わず足を止めて、そちらを見てしまった。
「みんながいるところで、あんなことするんじゃねぇっ!」
女の子はしゃくりあげながら、とぎれとぎれに「ごめ、ん、な、さい」とあやまっている。
「ちゃんと言うこと聞けよ、わかったかっ?!」
男は何度も「わかったかっ?!」と怒鳴りつけ、その度に女の子は泣きながら、「はい」と答える。
しばらくして、男はさっさと店に戻り、女の子は泣きながら後を追っていった。
たぶん、あの父子は、親しい他の家族と一緒に、あの店に来ていたのだろう。そこであの女の子が、なにか悪さをしたんだろう。あるいは何かワガママでも言ったのか。
男は怒鳴っていただけで、手を出したりはしていなかった。親が子供を叱る。当然のことかもしれない。人前だろうが何だろうが、叱るべき時には、叱る。間違ってはいない。
それでも、そこにはどうしようもない違和感があった。何故なら、男はただ「怒っていた」からだ。子供を、自分の思い通りにならない存在として、あまりにも単純に「ただ怒っていた」ように見えたからだ。
そして、その光景に対して、僕はあまりに無力だった。
その晩、僕が自宅の最寄り駅に着いたのは、夜の10時半過ぎだった。駅から家まで、徒歩で10分弱。いつも通り、ぶらぶらと歩いて帰った。
途中に、一軒の居酒屋がある。小ぎれいなつくりで、お座敷もあるので、小さな宴会などにも使われている店だ。
そこへ通りがかった時、店の隣の駐車場から、男の怒鳴り声が聞こえてきた。(酔っぱらいの喧嘩かなぁ)と思いながら、声のするほうを見てみた。20代前半と思しき男が、足許を見下ろすように怒鳴っている。
「オマエはなんでそういうことをするんだっ!」
怒られていたのは、4歳前後の女の子だった。
「なんでオレを怒らすんだよっ!」
思わず足を止めて、そちらを見てしまった。
「みんながいるところで、あんなことするんじゃねぇっ!」
女の子はしゃくりあげながら、とぎれとぎれに「ごめ、ん、な、さい」とあやまっている。
「ちゃんと言うこと聞けよ、わかったかっ?!」
男は何度も「わかったかっ?!」と怒鳴りつけ、その度に女の子は泣きながら、「はい」と答える。
しばらくして、男はさっさと店に戻り、女の子は泣きながら後を追っていった。
たぶん、あの父子は、親しい他の家族と一緒に、あの店に来ていたのだろう。そこであの女の子が、なにか悪さをしたんだろう。あるいは何かワガママでも言ったのか。
男は怒鳴っていただけで、手を出したりはしていなかった。親が子供を叱る。当然のことかもしれない。人前だろうが何だろうが、叱るべき時には、叱る。間違ってはいない。
それでも、そこにはどうしようもない違和感があった。何故なら、男はただ「怒っていた」からだ。子供を、自分の思い通りにならない存在として、あまりにも単純に「ただ怒っていた」ように見えたからだ。
そして、その光景に対して、僕はあまりに無力だった。
by yuji4u
| 2004-03-10 19:59
| 日記、ほか